ラージャン

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妄想狩猟小説

フェルヴァールの赫槍 後編⑤ 壊滅

雪原には、倒れた騎士が点々と横たわっていた。誰も叫んではいない。だが呼吸は荒く、胸を押さえてうずくまっている。竜巻がいくつも立ち上がり、氷と雪を巻き上げていた。視界は白く濁り、戦場の距離感を狂わせる。その嵐の中に、二体の巨獣がいる。雷を帯び...
妄想狩猟小説

フェルヴァールの赫槍 後編④ 氷嵐

巨大な翼。鋭い牙。蒼白の鱗。雪風が唸る。「ベリオロスか。……大きいな」空気を裂く咆哮とともに、雪原へ降り立つ。衝撃で雪が吹き上がる。騎士団の隊列がわずかに揺れた。「第二のモンスターだ!」「飛竜種!!」カイルの目が細くなる。(想定外……)ベリ...
妄想狩猟小説

フェルヴァールの赫槍 後編③ 雪原の罠

雪原に、咆哮が響いた。ラージャン。風穴谷から飛び出した黄金の巨獣は、一瞬で距離を詰めてくる。深雪は振り返りながら走る。足は止めない。銃口だけが後ろを向く。発砲。乾いた銃声。弾丸がラージャンの肩をかすめた。怒りの唸り。ラージャンの脚が地面を叩...
妄想狩猟小説

フェルヴァールの赫槍 後編② 風穴谷

王都フェルヴァールを出発した騎士団は、半日ほどで雪原の奥へ到達した。空は薄く曇り、冷たい風が低く吹いている。視界の先には山の裂け目。黒い岩肌が露出した谷。エルンが言う。「風穴谷だ」雪風が低くうなずいた。「……名の通りだな」谷の奥から、断続的...
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